2017年06月01日

自立支援2


ひきこもりという綱引きゲーム 


・状況の対立


世界観の変化


無業者・無就学の壮年者(35歳から44歳)のうち親と同居の未婚者数の推移(1980年から2008年まで)


1980年、29万人 

1990年、26万人

2000年、17万人

2004年、33万人

2007年、35万人  

(総理府統計研究所 西文彦)グローバル化経済1990年代から


ひきこもりは不登校からの延長としてのひきこもりだけでなく、グローバル化経済の影響から就職困難としての非正規化が起こり、就職困難からひきこもりになった事例も散見できる。




・幅広いひきこもり状態 (思春期〜後期青年期問題としてのひきこもり)


⓵発達障害の特性⇒思春期、青年期(就学時)になって顕在化


⓶家族全体の貧困・孤立⇒ネグレクト、脱落型不登校


⓷中年期以降の不安定職、失業⇒未婚の子と高齢親の同居など(家族共倒れ危機)


⓸高齢化⇒要介護の親と子の同居(介護離職などによる困難の累積)


施策問題 学校教育・障害福祉サービス・子育て支援、子ども家庭福祉・就労支援・セフテイーネット確保・高齢者支援・若年者支援




起こっている問題


家族と社会と本人


  1. 家族と社会の壁

    家族が相談に踏み出すことができない、支援を受け入れることができない、家族全体の貧困と孤立

  2.本人と家族の壁
   家族内部のコミユニケーション困難、本人の支援のための環境が整わない本人と社会の壁 
   本人の特性、本人に合う支援が行われていない、本人とマッチする社会資源が存在しない



 3,社会参加への壁(報告書検討会での発言から)


家族


家族と社会の壁(例)


・(親)多忙などによる相談に乗り出す時期の遅れ


・(親)状況を変えることへの不安。抵抗感


・(親)支援機関、窓口の対応への失望




本人


本人と家族の壁(例)


・(親)子育てへの罪責感、本人の暴力などに由来する家族の萎縮


・(親)高齢などで、本人のきめ細かい理解が困難




社会(支援)


本人と社会の壁(例)


・(支援者)支援機関、窓口の「ひきこもり」理解の不足


・(支援者)相談からサービス提供に結び付ける支援の不足


・(本人)障害・疾患にも関連する社会との多種多様なミスマッチ




参考


厚生労働省 平成28年度 生活困窮者就労準備支援事業費等補助金 社会福祉推進事業


「長期高年齢化したひきこもり者とその家族への効果的な支援及び長期高年齢化に至る


プロセス調査・研究事業」より

                       今年度、5月講演レジュメより




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posted by 牟田武生 at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする